君ニ恋シテル


「さゆも凄くいい子だったよね。
全然ぶりっこじゃなかった」

「そうね、野田さんもいい人だったわ」

亜紀ちゃんと百合香ちゃんの会話に、私も頷く。



「真夏の大感謝祭楽しみだなー!
逞が俺の名前出してくれるってほんとかな?」

「私の名前出してほしかったぁ!」

「渡辺さん、あなたバカね。女性の名前をうかつに出せるわけないじゃない。二人はアイドルなのよ」

「そうだけどー」

亜紀ちゃんはいじけたように頬を膨らませた。



アイドル…。
そうだよ、二人はアイドルなんだよね。

沢山のファンがいるアイドル。

その二人とさっきまで会話してたなんて…。

はぁー…。
ほんとにもう現実じゃないみたい。


さっきてっちゃんと別れたばかりなのに、もう会いたくなってる。

真夏の大感謝祭の日が待ち遠しい…。





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