君ニ恋シテル
◇◇◇
「優奈ちゃんが徹平を好きだったなんてなぁ。でも徹平の方からアド聞いてたじゃん、あれって脈ありじゃね?」
「うんうん!確かに!」
私は興奮気味に頷いた。
優奈と別れ、洋祐と二人きり、夜道を歩く。
優奈と徹平…せっかくこんなふうに出会えたんだもん。
絶対上手くいってほしい。
「でもさ、いきなり亜紀から電話来てかなりビックリしたよ。凄いことになってるって何!?みたいな」
「あはは、ほんとに凄いことになってたでしょ?」
「まぁな」
「私もビックリだったもん!逞とほんとに友達になれたんだよ!?超嬉しいぃ!ねえ見て!これ逞から貰ったピック!」
「えっ?なにそれ?」
「今日のコンサートで貰ったの!宝物だよぉ!」
「へー…」
「そうそうピックと言えば!徹平が優奈に…」
次の瞬間、突然洋祐の手が私の手を包み込んだ。
指を絡められ、ギュッとされる。
思わず洋祐を見るも、目を合わせてくれない。
洋祐と手を繋ぐのは、もちろん初めてじゃない。
だから、慣れてるはずなのに、なんだか妙に恥ずかしくて無言になる。