君ニ恋シテル


スタジオ――――――――…


「はい、カットー!3人共よかったよー」

監督の大きな声がスタジオに響く。

今はドラマ『夏に恋して』の撮影中。


「あぁー、俺ももっと出番があればなぁ。徹平の友達役でたった一話しか出ないなんてさぁ」

今日の撮影は友情出演の逞も一緒だ。

逞はぶつぶつと言いながら椅子に座る。


すると…

「徹平くーん!お疲れ様!
はいっ、これ!」

西村さんが遠くから駆け寄って来た。

そして、メロンソーダの入ったコップを俺に差し出す。


「ありがとう」

俺はコップを受け取りお礼を言った。

西村さんはニッコリと満面の笑みを浮かべる。


そんな俺達の様子を、近くでスタッフと会話中の浩ちゃんが苦い表情で見つめていた。
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