君ニ恋シテル
夜。


「今日も大成功だったな!」

コンサートが終わったばかりで、まだ興奮状態の逞が笑顔で言った。

さっきからずっとテンションが高い。

俺達は今、宿泊先のホテルにいた。


「はい、お疲れー!」

浩ちゃんが上機嫌で俺達に飲み物を差し出す。


「浩ちゃん、これメロンソーダじゃん!」

飲み物を受け取ったとたん、逞が驚いたように言った。


「はっ!しまった!つい無意識に…。というか、別にメロンソーダに罪はないんだ!メロンソーダを好きなやつなんていっぱいいる!」

「ははっ」

力説する浩ちゃんを見て逞が笑う。


「笑うな!…前にも言ったけど、別に徹平の発言は悪くなかったんだ。ただ、今のタイミングで言うのはまずかった。西村陽花もあんなブログ書きやがるし、撮影現場でもあの調子だ」

思い出したかのようにペラペラと話し出す浩ちゃん。


「浩ちゃん、ほんとにごめん。反省してる…」

俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
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