君ニ恋シテル
「まっ、過ぎたことはしゃーない。大きな騒ぎにはならずに済んだしな。これから気をつけること!」

「そうだよ、徹平!」

「逞、お前もだ。洋祐って誰だ」

浩ちゃんと逞のやり取りに、俺は思わず笑った。

そして、心から浩ちゃんに感謝した。




「浩ちゃんはほんと優しいよなぁ」

部屋に入ったとたん、ベッドにゴロンと寝転ぶ逞。

俺は逞の言葉に頷きながら、ベッドに腰をかける。

そして、なんとなく携帯をいじり始めた。


すると、その姿を見ていた逞が…

「なっ!優奈ちゃんに電話してみたら?」

と、突然言ってきた。


また何を言い出すのかと思えば…。


「なんでだよ」

「今地方にいたよー!って報告みたいな?」

逞はベッドから起き上がり、ニコニコして俺を見た。


俺はそんな逞を無視してそっぽを向く。


すると…

「あっ!おいっ!」

「はいっ!発信〜!」

逞は俺の手から携帯を盗み、勝手に優奈ちゃんへ電話をかけてしまった。


「逞っ!」

「いいから早くしないと優奈ちゃん出ちゃうよ〜!」

強引過ぎるだろ!
大体にして何を話せばいいんだ?
地方にいるって、今はそれくらいしか話すことが…。
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