君ニ恋シテル
「そっ、そういえば、この前の真夏の大運動会ほんと面白かったよね!」

私は百合香ちゃんの機嫌を直そうと、話題を変えた。


真夏の大運動会。
今人気の芸能人達が集まる、笑いあり、涙あり、歌ありの盛りだくさんな生放送番組。

この番組の観覧も行ってみたかったな…。

って、贅沢だよね。
感謝祭のほうの観覧にも行って、運動会のほうまでっていったら、贅沢すぎる…。


「…そうね」

「ねっ!ほんと二人とも大活躍でかっこよかった」

てっちゃん、ジャージ姿もとっても様になってた。

何着ても似合っちゃうんだもんなぁ…さすがだよね。


「私、興奮し過ぎて鼻血出しちゃったわよ」

「えっ!鼻血!?」

ふんっと大きな鼻息を吐く百合香ちゃん。


と、近くからくすくすと笑う声が耳に入る。

見ると、声の主はてっちゃんだった。


「あっ、ごめんね」

目が合うと、はっとしたように謝るてっちゃん。


私と百合香ちゃんは同時にぶんぶんと顔を横に振る。

会話、聞こえてたんだ…。


「ほっ、本当にかっこよかったですわ!」

「ありがとう」

真っ赤な顔で百合香ちゃんが言うと、てっちゃんは笑顔でお礼を言った。
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