君ニ恋シテル
* * *
「わぁー!凄ーい!」
お菓子の缶詰めを見事ゲットしたてっちゃん。
「やっととれた」
「おめでとう!」
可愛らしいデザインの缶詰め。
中には何のお菓子が入っているんだろう?
キャンディー?
それともクッキー?
きっと中身も可愛いこと間違いなしだよね。
そんなふうに思いを巡らせていると、
「はい」
てっちゃんが缶詰めを差し出してきた。
え?
思わずきょとんとしてまう。
「優奈ちゃんにあげる」
「えっ!でも…これはてっちゃんがとったものだし…」
「優奈ちゃんにあげたくてとったんだよ。さっきのぬいぐるみはとれなかったから、その代わりに」
「…っ。ほんとにいいの?」
「うん」
どうしよう…。
凄く、凄く嬉しい。
私のためにとってくれたんだ…。
胸がきゅんとなって、苦しい。
とっても嬉しい苦しさ。
あったかいドキドキ。
「…ありがとう」
少し照れながらてっちゃんの手からお菓子の缶詰めを受け取ると、てっちゃんは嬉しそうに笑った。