君ニ恋シテル
『そうだ…言おうと思ってたんだけど、浴衣凄く似合ってたよ』

「えっ…あ、ありがとう」

わっ…嬉しい。
見ててくれたんだ…。
一気に耳まで熱くなる。


「てっちゃんも…凄く似合ってたよ」

『ありがとう』

照れくさくて、ますます上手く話せない…。

言葉が詰まる。


「あっ…さっきね、旅行当選のお知らせが届いてて…。うん!そう、それ!亜紀ちゃんも百合香ちゃんも当選したの!」

『ほんと?みんな当選なんて凄いな。じゃあ…楽しみだね』

「…うんっ」

ほんと楽しみ。
心が温かくなって、自然と笑みが溢れた。

その後は、不思議と自然に会話をすることができた。

あんなに緊張していたのが嘘みたい。



「じゃあ、またね」

電話を切ると、私はベッドに寄りかかった。

はぁー…まだドキドキしてる。

でもこれは電話を出る前のドキドキとは全然違う。

とても温かいドキドキ。
心がぽかぽか。


てっちゃんと話すと、笑顔になる。

いつの間にか、切ない気持ちは消えていた。


旅行、楽しみだな。
その日のことを考え、私は今から胸を高鳴らせた。
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