君ニ恋シテル
ーーそして数分後。


それは、みんなでラムネを飲んでいる時だった。


暑さと熱気でカラカラになった喉を潤していると…

ふと視線を向けた先に、2人の姿を見つけた。


いっ、いたわよ…!
と、指をさし大声で叫びそうになった矢先、私は声を失う。


なぜ声を失ったのか。
その答えは、2人が手を繋いでいたから…。


胸に強い衝撃が走った。
とても、痛くて苦しい…。

一瞬、全身の力が抜ける感覚に襲われた。


これは、何?
夢…?

最初から無駄だとわかっているのに、私は少しの望みをかけて目を擦ってみた。

もしかしたら、見間違いかもしれない。
何しろこの暑さだ。体の機能が正常に働いていないってこともあるかもしれない。


だけど、すぐにこの行為は無駄だったことに気づく。

…間違いなくあの2人は、確かに徹平くんとゆうにゃん。

視力2.0の私が、見間違うなんてありえないこと…。


夢なんかじゃない、これは現実…。
なぜ…なぜ2人は手を繋いでいるの?
どうして?

無意識に、拳を握り締める。
爪が掌に食い込んで、痛い。
だけど、そんなことはどうでもよかった。

掌の痛みよりも、心のほうがもっとずっと…何十倍も痛かったのだから。
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