君ニ恋シテル
ーーーその後の私は、ずーっとふわふわしていた。


たこ焼きを食べながらも、どこか上の空。

意識がどこか遠くへ行っちゃって、地に足が着いてない感じ。


そんな中、てっちゃんと2人屋台をまわり楽しんだ。

緊張と照れ、恥ずかしさにドキドキ。
全部が初めてで、信じられなくて、まるで夢を見ているかのような時間だった。



ーーー…
ーー…

「お腹いっぱいだね」

「うんっ!ほんと満腹ー!」

なんだかんだ、沢山食べてしまった。
あんなに緊張していたはずなのに…気付いたらお祭りを目一杯楽しんでる自分がいた。


逞くん達とは結局はぐれたままで。合流できずじまい。


「そろそろ花火の時間だね」

「そうだね。楽しみだなぁ…」

花火…か。
無意識に、この前のドラマの撮影のことを思い出す。

てっちゃんと西村陽花のキスシーン。
花火が打ち上がる中、二人は唇を重ね合った。


…………。


っ、ダメダメ!思い出しちゃ!
せっかくの夏祭り。せっかくの楽しい時間。
余計なことは、考えない。
今は今を楽しまなくちゃ…。

せっかくこうやって、てっちゃんと2人きりになれてるんだもん…。


ちらりと視線を向けると、てっちゃんは夜空を見上げていた。
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