君ニ恋シテル
「…この際言わせてもらうけど、徹平くんは芸能人なのよ?」

「は、はい」

「まわりには綺麗な人がいっぱい。ライバルは西村陽花だけじゃないわ。徹平くんを狙ってる芸能人は沢山いる。いつとられたっておかしくない状況なのよ?ゆうにゃん、あなたそれわかってる?」

「…っ」

それは、わかってるけど…。


「で、でも!やっぱりまだ早すぎるっていうか…」

「恋に遅いも早いも関係ないわ!!」

うぅ…。


亜紀ちゃんはアイスコーヒーを飲みながら、そんな私達の様子を観察するように眺めている。


「…想いは黙っていては伝わらないわ。言葉にしないとダメなのよ」

百合香ちゃんはそう言って、何やら考え込んでいる様子。

だけど、私には何を考えているのか検討もつかない。


告白なんて…早すぎるよ。
ただ話すのだけでも精一杯なのに…絶対無理。


「ねえ、渡辺さんも告白に賛成でしょ?」

「ん?んー…こればっかりは優奈次第だからねぇ」

いつもなら張り切る亜紀ちゃんが、あまり乗り気じゃないのか、百合香ちゃんの言葉に曖昧な返事を返す。

あれ…?亜紀ちゃんどうしちゃったんだろう。

真っ先に賛成しそうなのに…。

そんな亜紀ちゃんに違和感を感じつつも、私は内心感謝していた。

だって…私にはまだまだ告白なんて無理だもん。


「ゆうにゃん、ライバル達に徹平くんをとられてもいいの?西村陽花にとられちゃってもいいの!?」

「そ、それは…」

もちろんイヤに決まってるけど、だからといって急いで告白するのは、なんか違う気がするし…。
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