君ニ恋シテル
「あはははっ!」
「きゃはは」
みんなの笑いは絶えない。
私とてっちゃん以外、みんなステージの前にいる。
てっちゃんがここにいること、みんな全く気付いてないし…。
逞くんと浩ちゃん、スタッフの人達も全然気付いてない感じ。
なんか…ほんとに私とてっちゃん二人だけの世界みたい。
ど、どうしよう。
この状況…嬉しいけど、どうしたらいいのか。
隣にてっちゃんがいると思うと、落ち着かない。
「今日1日どうだった?楽しめた…?」
「…う、うん!もちろんだよ!色んなゆかりの地に行けて、Boy★2の歴史をいっぱい知れて、嬉しかったよ」
「そっか、よかった」
…なんだろう。
一言話すたびにドキドキして、そのたびにもっと好きになる。
もっと笑顔が見たい。
もっと話したい。
どんどん欲張りになる…。
なんか恥ずかしくなってきた…。
ジュース飲もっ。
と、手を動かそうとした瞬間…
「あっ!…ごめんっ」
てっちゃんの手に触れてしまった。
あまりにも近い距離。
少し動いただけでも、ぶつかってしまう。
「ううん」
ニコッと笑うてっちゃん。
私は照れを隠すように、急いでジュースを飲んだ。
全然余裕ないよ…。
普通でいれないもん。
でも、私と違っててっちゃんは…平然として笑ってる。
やっぱり…私のことなんてなんとも思ってないんじゃないかな。
好きなんて…絶対ありえない。
私は恥ずかしくておかしくなっちゃうくらい大好きなのに…。
ずるいよ…。
こんなに余裕ないのは、私だけ。
心の中でどんなに想ってると思う?
その笑顔に何度ドキドキさせられたか…。
てっちゃんはずるい。
こんなに大好きにさせて…。
「あっ、コント終わったね。じゃあ…戻るね」
「うん…」
笑顔で立ち上がるてっちゃん。
もっと一緒にいたかったな…。
ステージでは逞くんと浩ちゃんがみんなに向かって深いおじぎをし、ファンの子達から割れんばかりの歓声と拍手を浴びていた。