君ニ恋シテル
「あー!落ちちゃったぁ!」

「ふふ、やったわ。私の勝ちよ!」

「小沢ちゃん、もう一回!」

「仕方ないわね。何度やっても結果は同じだと思うけど」


線香花火対決…亜紀ちゃんと百合香ちゃん、盛り上がってるなぁ。

そんな二人の様子を見ていた私とてっちゃんは、顔を見合せ笑った。


「よーしドラゴンやるぞぉ!」

浩ちゃんの声に視線を向けると、花火が勢いよく噴水のように吹き出す。


「きゃあー!すごーい!」

みんなきゃあきゃあと声を上げる。


「キレイだね」

てっちゃんの呟きに、私は笑顔で頷いた。


何もかもが輝いて見える。

今が苦しいくらいに大切で、ちょっぴり泣きそうになった。


残り少ない夏を惜しむかのように、花火がキラキラ光る。





今年の夏が、過ぎて行く。




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