君ニ恋シテル
すると、私が動くよりも一足早く動く人物の姿が。

周りのファンの子達が、きゃあー!と騒ぎだす。


「大丈夫!?」

動いたのは、てっちゃんだった。


てっちゃんは急いで駆けよるとその場に膝をつき、すぐにその子が起き上がるのを手伝った。

そして、心配そうに顔を覗きこむ。

「あ、ありがとうございます…ちょっと貧血で…」

「いいよ、いいよ。怪我はない?」

「ええ…大丈夫です」


てっちゃん優しいー!
私はてっちゃんの優しさに感動してウルウル。

逞くんも二人の様子を見て、駆けよろうとした足を止め、笑顔で拍手をしている。

周りからも、優しいー!カッコイイー!という声が飛び交う。



だけど、中にはこんな会話も聞こえた。

「なにあれ?あいつわざと転んだんじゃない?」

「絶対そうだよ、気をひこうとして、最低。服もダサいし」


わざとって…心配より先にそんな考えが浮かぶのもどうかと思うけど…。
服のことまで…完璧悪口。
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