君ニ恋シテル
ここに書かれていることが事実かはわからないけど、私の知らない時間が二人の間にはあって、きっと私の知らないてっちゃんを西村陽花は沢山知っているんだろうな…。

仕事でのてっちゃんを、私は全く知らない。
一般人の私にはわからないこと。どうしたって入り込めない世界。

それがなんだか悲しくて…とても寂しかった。


「まあ、こんなの気にしないことだね！」

「うん…」

亜紀ちゃんの言葉に頷いてみるも、心は浮かない。
気にしないなんて無理だよ…。
証拠がなくても、本当のことなんてわからないわけで…。


「優奈、表情が暗い」

「だって…」

「徹平に直接聞いてみたら？」

「む、無理！それは絶対無理っ！」

怖くて聞けるはずがないよ…。


「徹平くんがこんな女と付き合うはずないじゃない！ほんっと憎たらしい！」

「そうそう！そうだ、アイスでも食べない？なんかお腹空いちゃったー」

「あら、いいわね。ゆうにゃん、そうしましょう。怒り過ぎて熱くなっちゃったわ」

「うん…いいね、食べよっか」

どうにか笑顔で答えるも、元気は出ない。
大好きなアイスを食べても、私の心は曇ったままだった。




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