君ニ恋シテル
―――その頃Boy★2事務所では…


「あーぁ!なんなんだよこれは!」

「何って…徹平と西村さんの熱愛記事が載ってる雑誌だけど…?」

「だーかーらー!なんでこんな記事が出てるんだって話!!」

「浩ちゃん落ち着いて!」

「落ち着いていられっかよ!やっと撮影も終わってあいつとは縁が切れると思ってたのにこれだ!ほんと迷惑なやつ!あーイライラする!どうすんだよほんと…!」

「まあまあ。大丈夫だって!!」

「逞お前な…この前お前のことで大変だったの覚えてるか…?」

「あー忘れてはいないけど…?」

「これは深刻な問題!!」

頭を抱える浩ちゃんに、逞も自分のことを言われバツが悪いのか大人しくなった。


「浩ちゃん、なんかごめん。迷惑かけることになっちゃって…」

「徹平…お前のせいじゃないよ。実際あの記事はでたらめだらけだしな」

「だよなー。証拠写真があるわけでもないのに!」

「ああだから逞、お前は完璧アウトだったわけだ」

「…浩ちゃん顔が怖い!」

「ってか徹平が西村陽花と付き合ってるわけないだろーが!だって徹平には百合っ!…っ!」

「「ゆり…?」」

「あっ、あーっ!なんでもない!ユリの花って綺麗だよなあって話だよ、うん!」

「変な浩ちゃん。そういえば徹平、西村さんから何か連絡とかあったりししたの?」

「メールが来たよ。ビックリしたねって」

「はあ?何がビックリしたねだよ。絶対あいつ喜んでるだろ」

そう言ってしかめっ面を浮かべる浩ちゃん。


「ダメだイライラする。アイス買ってくる」

「やったー!じゃあ俺バニラ!」

「誰もお前のぶんも買うって言ってない」

「えー!?なんだよそれ!」

「嘘ー、みんな分買ってくる」

「さすが浩ちゃんー!男前ー!」

「ほんっと逞は調子いいよなあ。徹平もバニラでいいか?」

「うん、ありがとう浩ちゃん」
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