君ニ恋シテル
浩ちゃんが出て行くと、逞はソファーに深く座り込み雑誌に手を伸ばした。

「熱愛ねぇ…相手が間違ってますよ!ってね!」

そう言ってこちらをニヤニヤ見る。


「なんだよ」

「だーかーらー。西村さんじゃなく優奈ちゃんだろって話!あ、徹平今溜め息ついた!ってかそういえば優奈ちゃんから何か連絡とか来てた?」

「…来てないけど」

「そっか。優奈ちゃんショック受けてるかもしれないぜ?徹平から連絡したら?『優奈ちゃん、心配かけてごめん。熱愛なんて嘘だから。俺が好きなのは優奈ちゃんだから!』…って!あははっ!ウケル!」


………。


一人でウケて大爆笑してる逞を見て、俺はまた大きな溜め息をついたのだった。




.
< 608 / 679 >

この作品をシェア

pagetop