君ニ恋シテル
そして、あっという間に映画館に到着。

賑わう映画館。
周りにバレちゃったらどうしよう…なんてドキドキしながら、席に着く。


一番後ろの席に、二人並んで座った。

近い…。
車の時も距離感にドキドキしたけど…ここはもっと近い。

そういえば、さっき車庫入れする時のてっちゃんかっこよかったなぁ…なんて、ついさっきの出来事を思い出したりして…ぽっと頬が熱くなる。

映画館に来るまでの間にどれだけドキドキしてるんだろ…まだデートは始まったばかりなのに。


そんなことを考えているうちに時間になり、明かりが消えて、真っ暗になった。

予告が終わり、いよいよ映画がスタート。


私が選んだ映画は洋画の甘い恋愛もの。
本当に迷ったんだけど…どうしても観てみたかったから。

でもちょっとやっぱり…あれだね。
なんていうか、凄い濃厚なキスシーンとか…ベッドシーンもあったりで…恥ずかしくなってきた。

話はロマンチックな感じで良いけど、そういう場面になるたびに、恥ずかしくなっちゃう。

昨日は緊張でよく眠れなかったから、映画館で眠くなっちゃうんじゃ…なんて考えていたけど、全くそんな心配なかった。
むしろめちゃくちゃ冴えてる。

そして喉がからから…。
きっと、ずっとドキドキしてるせいだ。
ジュース飲も。


ジュースを取ろうと手を伸ばすと、

あれ?なんか違う感触が…。
パッと見ると、何故か私はてっちゃんの手に触れていた。


…っ!


ビックリして、急いで手を離す。
な、なんで!あれっ…?

あ、間違っててっちゃんのジュース取ろうとしてたんだ!
それでてっちゃんもちょうど手伸ばしてて触れちゃったんだ…。

私のジュースは反対側…。
もう何やってるんだろ。


「ごめん…!間違っちゃった」

「いいよ気にしないで」

はあ…ますます喉からからになっちゃったよ。
気を取り直して自分のジュースを一口飲む。




さっき触れた手が熱い…。
どうしようもないくらいに。
< 636 / 679 >

この作品をシェア

pagetop