君ニ恋シテル
クリスマスイブ当日。


「わあー!めっちゃ混雑してるねー!」

「もっと早く来るべきだったわね。失敗したわ」

これでも早めに来たつもりなのだけど…会場に着くとすでに大混雑していた。


「あーぁ、こんな後ろから見なきゃいけないなんてー」

「渡辺さん大人げないわよ。譲ってあげたと思えばいいじゃない」

「はぁーい…。これじゃあ全然身動きできないし、CDは帰りに買うしかないね。ねっ、優奈」

「…えっ?うん!そうだね…!」

「ほんとに話聞いてた?」

「凄い人だねってことでしょ…?」

「違う!CDの話!」

「ごめん…ちょっとぼーっとしてた」

「ゆうにゃんは基本ぼーっとしてるけど、今日はいつにも増してぼーっとしてるわね」

「あはは…」

ほとんど寝てないからね…。
そりゃぼーっとなるよね…。


だって、昨日てっちゃんにあんなこと言われたから…。


「優奈、もしかしてなんかあった?」

…っ!

「なっ、ないないない!!!なんにもない!」

「随分過剰反応するわね」

「いや…その」

「変なのー」

「あら、ゆうにゃんがちょっと変なのは元からじゃない?」

「確かに!」

酷い…。




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