君ニ恋シテル
ーーー時間は流れ、あっという間にイベント開始時刻になってしまった。


どうしよう…全然心の準備できてないよ。
何度深呼吸しただろう。何回しても心臓の鼓動は落ち着いてくれない。


そうこうしてるうちに、二人がステージに現れた。

「「きゃあーーー!!」」

割れんばかりの歓声。
てっちゃんの姿が目に入ったとたん、ドキンと胸が反応する。

二人ともサンタさんの衣装に身を包んでいた。


「皆さんメリークリスマス!」

「メリークリスマス!Boy★2です!」

…っ。
思わずステージから目をそらす。
ダメだ、直視できない。
それどころかますます鼓動は早くなるし…どうしたらいいの?


「あー!やっぱり遠いよー!見えないー!」

「渡辺さん、ごちゃごちゃうるさいわね」

いつもなら私も亜紀ちゃんと同じようにガッカリしたと思う。
だけど今回はこれぐらい離れてて安心してる。
こんなに離れてても緊張して全然見れないんだもん…。


「今日はみんな来てくれてありがとう!」

「一緒に最高のクリスマスにしましょう!」

きゃああぁー!
ファンの歓声で、二人の声がかき消されてしまいそう。


「でわまずはこの曲を聞いて下さい!僕達からのクリスマスプレゼント!2人で作ったクリスマスソングです」

曲が始まると、会場は一気にクリスマス一色に。


自然と会場からは手拍子が。

笑顔で歌うてっちゃんと逞くん。


胸がキュンとなって…上手く息が出来ない。

こんな気持ち、初めて。

今まで出会ったことのない感情。

見てるだけで、こんなにドキドキするなんて…。



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