君ニ恋シテル
チラッと横を見ると、亜紀ちゃんと逞くんはまだ何か楽しそうに話している。

聞き耳をたてると、話題はケーキのことだった。

もうすっかり打ち解けてるし…。


私はレジを打ちながら考える。

何か、何か私も話したい…。
少しでも…


すると、思いがけずてっちゃんの方から声がかかる。


「Happinessって言うんだ」

「えっ…?」

「ここのケーキ屋の名前」

「あっ、はい!そうなんです。
ケーキを食べてみんな幸せになってほしいって願いが込められてて…」

「へぇ、幸せか…いい名前だね」

そう言って笑うてっちゃんの笑顔はとても柔らかくて、見ているこっちまでも幸せになる…そんな笑顔だった。
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