君ニ恋シテル
「あ、あの!!」

背を向けかけた二人に私は慌てて声をかける。
二人は足を止める。


「優奈、どうしたの?」

亜紀ちゃんは不思議そうな顔で私を見た。


「思いだしたの」

私は亜紀ちゃんにそう言うと、バッグから手紙を取り出した。


大事なこと、それはファンレター。


朝の松野さんからの電話で、すっかり頭から消えていたけど…今思いだした。

思いだせてよかった…。


一生懸命書いたファンレターには、てっちゃんへの想いが沢山つまっている。
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