キミと一緒に、未来も -幕末にタイムスリップ-
やっと自由がきくようになった口。
…手足はまだしっかり縛られているけど。
何か言ってやろうと思うけど、いざとなって言葉が出てこない。
最低?変態?偉人を汚すな?
…もっとひどいことを言ってやりたい。
「…お前、名は何という。」
凄く低い声で私にそう問いかけたのは、"副長"だった。
「…阪井、琴葉」
もう、どうでもよくなって適当に返事した。
「…日本語が、わかるのだな」
「ちょっと、ふざけないでよ」
まるで私を外国人と
思っていたかのように本気で驚いていた。
私はどっからどう見ても日本人よ。
「…、その着物は何処の物だ」