キミと一緒に、未来も -幕末にタイムスリップ-
冷たくそう言った美由紀という女は高1の私と殆ど年が変わらないくらいの若い人だった。
「ほら、琴葉も挨拶しなさい、な?」
ぽん、と肩を叩いてきた。
「…阪井、琴葉です」
美由紀はまだ睨みつけてきたので私も睨み返してやった。
「あら。もう"武井"じゃないのね」
"武井"
それは父の家系の名字だった。
そして"阪井"は
母方の名字。
…この女、とことん嫌み言ってくるつもりだ。
もっと、素敵な優しい大人な女性ならしぶしぶながらも承諾できたかもしれない。
でも、
「じゃあこの子に了解なんていらないんじゃないの?だって、」
でも…
「関係ないじゃない。」