キミと一緒に、未来も -幕末にタイムスリップ-
…もう、あえないんだろうな。
奥さんになる予定の人の、しかも赤ちゃんのいるお腹を殴って、無言で飛び出して来ちゃったもん。
もちろん、後悔なんてしてないけど。
むしろ、殴ってよかった。
あの時殴ってなかったら、今凄く悔やんでる。
…あの後、私は見知らぬ土地を、父から逃げるように無我夢中で走り、気がついたら小さな公園のついた神社の前に立っていた。
「…ははっ」
1人、ブランコに乗り、自嘲気味に笑う。
神社にも人がいなければその中にある公園にも人は居ないわけで。
「…どうやって帰ろうかな、」
人が居ないので、道を聞くに聞けない。
…とりあえず、歩いてみるか。
ひょい、とブランコから降りて一度、伸びをする。