ナンパ男との恋3
そのまま 私の方に
走ってくるなり、

「はーるなっ!
まったく、卒業式までド忘れしてるなんてさー
私が電話しなかったら
どうなったと思ってるの?」

「あ・・・はい・・・
すいません・・・」

学生生活最後の日まで
結局、美香に
助けられた感じになってしまい
ただただ、
頭が上がらない・・・。

それから数分
私の 高校生活の中での
ドジ話でイジられ続け
さっぱりした様子で、


「そんじゃー、
私、もう帰るわ」

「へ!?でも
まだ・・・・」

「ん?あぁ、先生の長ったらしい話が終わってないって?
聞いて みんなと卒業式らしい事したいのは山々なんだけどさー
私、九州行かないといけないからさ。」

「・・・九州!?な、何しに?」

「引っ越すの。」

「は?え?」

「なーんて、ウソウソ。あはは
親がさ、卒業祝いで
旅行連れて行ってくれるって。
飛行機の時間があるから
早く帰らないといけないんだ」

「な・・・なんだ・・・
もう~
ビックリするじゃん!」

「あはは、ごめんごめん。
また 帰ってきたら
お土産持ってくるからさ。」

「うん、楽しんできてー」

「春菜も、知らない人に付いて行っちゃダメだかんね」

「あはは、
子供じゃないんだからー」

「んじゃ、また
電話するねー」

美香が帰ってしまったら
何だか 妙に心細くなって
私まで 帰りたくなってしまう・・。

・・・子供じゃん。


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