ナンパ男との恋３

みんな　お酒が入ってるせいか
異常なくらい
ハイテンションだ。

薄暗い照明の中
代わる代わる大声で
叫んでるんだか、歌ってるんだか
分からないほどの
うるさいくらいの
テンションの中、


「飲んでるー？」


私の隣に座りながら
半分くらいまで　
ようやく飲んだチューハイを取り上げられ
新しく開けたビールに変えられ
私の飲みかけのを
躊躇なく飲み干すと


「佐々木さんって
・・・・・・・・・・
・・・・・・？」

「え？・・・」

周りが　うるさすぎて
何言ってるのか
さっぱり分からない。


「だーからー、佐々木さんって
俺の　名前覚えてないでしょー？」

顔が急接近した上に
大声で言われると
どういうリアクションで答えればいいのか
思わず考えてしまった。

「やっぱりねー
佐々木さんって　同世代に
興味なさそうだもん」


「そんな事ないよ」

「マジ！？
じゃあ　俺にも
チャンスあるって事？」

「へ！？」


「ちょっと　こっち来て」


引っ張られながら
廊下に出ると
中とは　比べ物にならないほどの静けさだ。