ナンパ男との恋3

もう、帰ろうかな・・・・

中に入り
近くにいた女の子に
一言言って帰ろうとしたら

「あっ!私の曲!
佐々木さん 一緒に歌お」

「え?あ、でも」

無理矢理 マイク持たされ
歌わなくてはいけない状況になってしまったけれど
一曲歌えば 帰りやすいかもしれない。


うろ覚えの曲を ようやく歌いきり

「私、そろそろ
帰るね」

と、一緒に歌った子に言うと

「えぇ!?ダメだよー
あっ!もしかして
飽きた?
ちょうど良かったぁ
ジュース買いに付き合ってー
私 お酒苦手でさぁ・・」

飽きたとかじゃないんだけど・・・
でも、
お酒が苦手な気持ちは
すごく分かる。

「うん、いいよ」

たしか、店の入り口付近に
自販機があったし・・・

歩きながら、

「佐々木さんって
とっつきにくい雰囲気だから
あんまり話した事なかったけど
話しやすいよねー」

「とっつきにくい雰囲気?」

「そうそう、話しかけても
ふぅん・・・で、何か用?って
言われそうだったもん」

「そんな事言うわけないじゃんー」

「ほんとだよねー。何か
もっと積極的に話しとけば良かったなぁ・・
こんな話しやすい人だとは思わなかったもん」

思わず笑ってしまうような事を言われながらも
何だか、ちょっと うれしい。
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