ナンパ男との恋3

「じゃあ・・・帰るね」

「あ・・うん。じゃあ・・」

最後まで よく分からない人だったけど
悪い人じゃないような気がする。


なんて、一瞬でも思った私がバカだったと気づかされたのは
それから2分後の事だ。


「ひなたぁ、この女?」

「そうそう、顔いいだろ?」

軽そうな金髪の男が運転席から顔を出し、
その隣には ニヤニヤした赤髪の男。

そして、後部座席の窓から顔を出してるのは

さっきの人格は何だったんだってくらい 話し方も態度も違う ひなた という男。


「やっほー 春菜ちゃん
数分振りじゃん。
何、そんな顔で見て 俺照れちゃうじゃんー」


私もバカだけど・・・
この状況が 自分にとって どんだけ不利かってくらい分かる。

車通りは少ないし、
外灯だって少ない。


・・・諦める?


「ほら、乗って乗って。
俺達と 楽しく遊びましょーや」

助手席から1人、後部座席から1人降りてこようとした時


――――走るしかない!――――


「おい!走れ!
捕まえろ」

後から すごい早さで追いかけられ


「痛・・・」

あっけなく
すごい力で壁に押さえつけられた。
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