ナンパ男との恋3
家に帰ると、
サキさんが今までいた事を物語るように
香水の残り香と、
飲みかけのジュースが
そのままだ・・。

すっかり冷めてしまったごはんを温めなおし
黙々と食べ終わると


「サキの事 気にしてんのか?」

静かに 輝樹が切り出した。


「気にしない方が
変だと思う・・・」


「変か・・・
でも、ほんと サキは
そういうのと全然違うつーか・・
あー・・その何だ・・・
放っておけないつーか・・・」


「全然 分かんない・・」


「はっきり言うと
サキは 女としては見れないし、
そういう対象でもない。」


「でも、放っておけないって?」


「あぁ。頼られたら
助けてやりたくなるつーか・・」


「私は・・・?
放っといても大丈夫なの?」


「そういうんじゃなくて・・・」


頭を抱えるように
私の方を見ながら


「正樹と同じレベルって言えば分かるか?」

「ますます分かんないし」


困ってる輝樹を見ていると
何だか、私一人
わがままを言ってる気になってしまう・・・。









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