ナンパ男との恋3
「こんまま帰ってもいいわけ?」
あかりさんの呆れたような声が
後から聞こえる。
何も言わず
ただ 歩き続ける私に、
「あんた達二人とも
私には 理解できないわ・・」
そう言いながら
ため息がこぼれた。
「・・・・だって・・」
「んー?」
「あんな輝樹、目の前にすると
どうすればいいのか
分かんない・・・」
「そんなのさぁ・・・
考えるから
何も言えないんでしょ?」
思わず立ち止まり
後を振り向いた。
「春菜さぁ・・・
いーっつも思うんだけど
深く考えすぎなんだってば。
どうして 言いたい事を
飲み込むわけ?」
「そんなわけじゃ・・」
「さっきだって、一言
一緒に帰ろうって
言えばいいだけの話じゃん?
それが言えないなら
2人の関係を さっさと
聞けばいいだけの事でしょう?」
「・・・・」
「どうせ、こう言ったら
こう思われるとか
深く考えすぎて
何にも言えなくなったんじゃないの?」
ゆっくり うなずく私を見ながら
「まぁ、春菜らしいけど」
そう軽く笑うと
また歩き始めた。