ナンパ男との恋3
「私じゃなくて
この子が あの男の彼女」

あかりさんが
首で合図しながら
私の肩へ手を置くと

さとるくんの視線が
私の方へ向いた。

「何、もしかして
修羅場とか?」

ニヤニヤしながら
かなり おもしろがってる・・。

「その修羅場に、
普通ならなるはずなんだけどね。」

ため息混じりに
二人の視線が
私へ集中したまま

「とりあえず乗る?」

「この時間だと
タクシーも あんま走ってないし
ちょうど良かったわ。
ほら、春菜乗って」

「あ、はい。
お邪魔します・・・」

車に乗りこむと

「ひとまず
俺、ちょっと
久保くんのとこに
顔出してこないといけないから
車でちょっと待っててよ」

「はいはい、ついでに
輝樹の顔ぶん殴ってきてよ」

あかりさんってば・・・

「逆に、俺が
久保くんにやられるって・・」

「だろうね。はははは」

「んじゃ、ちょっと
待っててよ」

そう言いながら

店の横に車を停めると
中の方へ
さとるくんは入って行った。


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