神様のおとした白いリンゴ
2009年、7月5日
天気・雨
雨にもかかわらず、沢山の人で溢れかえっている電車の駅のホーム。
いつもの学校のあしになってくれている箱を待ちながら、少年は、もう一人の待ち人をキョロキョロと探していた。
「おせーな」
予定より10分も送れている。このままだと学校に遅刻しかねないので、電話をとり一覧から待ち人の名前を選んだ。
プルル……………。
でない。
痺れを切らして、もう目の前まで来ている電車にのろうと一歩踏みだした。
「おーいっ」
電車の音に掻き消されながらも、自分を呼んだであろうその声を拾った僕は振り返った。
しかし、視界に一瞬友人の姿が見えて、離れていった。
僕は足を滑らせていた。
だんだん地面との角度を減らしながら左から電車が来てるのを確認した。
急に世界がスローモーションになり、友人を含めた周りの人の悲鳴が聞こえたあたりで、僕は意識をなくした…………。