神様のおとした白いリンゴ
2009年、7月4日
天気・晴れ


家から一番近い高校の三階の教室で僕は、窓際のポジションを幸運に感じながら眠っていた。

少し暑い日差しと、開いた窓から流れる風が気持ちよい。

次第に意識がはっきりしてきたが、しばらくうつぶせていると、頭に一瞬鈍い痛みと「パンッ」という高い音が鳴り響いた。


「お前が寝てるなんて珍しいな」


担任の声で初めて、今授業中であることを思い出した。


「すいません」

「体調が悪いなら、保健室にいきなさい」

「……そうします」


なぜか重い全身を起して、まだフワフワした頭を正気にもどそうと頭をふってみる。だいぶ楽になったとこで、保健室に向かった。


保健室は一階にある。この時間帯は人が少ないはずなので、のんびり寝れるはずだ。


――ガラガラ

「失礼します」


保健室の扉の先には保母さんのような優しい感じの若い先生が、イスに腰掛けていてなにやら難しそうな資料とにらめっこしていた。

「いらっしゃい、どうしたの?」

「全身だるいというか、痛いというか……」

「さぼりかね、少年」

「痛いのは事実ですけど、そんな感じです」


フレンドリーな雰囲気と優しそうな笑みで心が癒される。


「空いてるベッドに適当にねてて」

「はい」


予想どおりガラガラだったため、こくりと頷き、窓際の白いシーツに体を倒した。



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