神様のおとした白いリンゴ

2009年、7月5日
天気・雨



いつもより遅く家をでたはずが、結局待たされるはめになっていたのはいうまでもないだろう。

まだ少し余裕があるものの、雨と普段より人で混雑している駅のホームでイライラしていた。


「なにが待っててやるだよ」


あてにしてはいないが、昨日言ったそばで遅刻はあほらしいぞ。

全く困った友人だことだ………


しかたなく携帯電話を取り出し、¨友人¨に電話をすることにした。


「只今電話に出ることが……………」

「ははっ、急に声が変わったな真人……………」


僕はおかしくなったのか、機械音相手にむなしく話しかけていた。


「次の電車逃したら遅刻確定だな」


そろそろ置いていく決心がついた僕は、ホームの黄色い線まで近づいていた。


遅れてきたお前が悪いんだ、恨むなよ…………


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