それでも世界はまわる -white snow-
今、この教室には美佳、美緒奈、潤、智之、慎吾と、慎吾と一緒に来た彼女の理沙しかいない――今日は美佳は執行部の当番で、千尋を置いて先に登校したのだった。

前回のような大騒ぎにはならないだろう。

「慎吾、飴いらん? 飴」

美佳たち三人は、その光景を固唾を呑んで見守っていた。

「まじ? トモが食べ物くれるなんか珍しいじゃん。ラッキー」

「いや、お前よく食うしね」

智之はにやける。
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