それでも世界はまわる -white snow-
「今からだと二年前の話になるんかな。・・・りおん君との韓国旅行」

「それがどうしたのさ・・・?」

「それに行く前、あんた・・・智之に告られたんよ」

「・・・」

水瀬中の校長から話を聞いて数日後、皮肉にも美佳は親友の彼氏から好意を打ち明けられたのだった。
今の時間を飛ばしてきた美佳の記憶にはない出来事だった。

・・・声が出なかった。

「幼馴染だもんね。智之、今頃気付いたって言って別れを切り出してきたんよ。
 あたしは仕方ないと思った。美佳だったら智之を譲ってもいいと思ったんよ」
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