それでも世界はまわる -white snow-
絶望のような闇の中、ぽうっと美佳の腕を掴んでいる者たちの輪郭が浮かび上がった。

「きゃっ・・・」

――智之と、理沙。

まるで、生ける屍のようだった。

目は白く剥け、体を美佳にもたれかかり、微かな呻き声をあげる。
美佳は怖くて仕方がなかった。これが自分の知っている友人なのか、と。

それと同時に、言い知れぬ罪悪感に包まれていた。数々の非人道的なことは今の記憶にはないが、とても辛く思う。
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