それでも世界はまわる -white snow-
「・・・やばいんじゃねぇの?」

智之がふと美佳に目を向けた。瞬間、彼女はかっと目を見開いた。

美緒奈は申し訳程度に一歩身を引いたが、理沙は美佳の名を呼んで、肩に手を置いた。
美佳が勢いよく振り向く。

「きゃあっ! りーちゃん!」

「な、なにー?」

雪で濡れた桜の葉も、美佳の体温で乾いたらしい。
ひらひらと綺麗に宙を舞う。

「りーちゃん、ごめん! ごめんねっ!」
< 113 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop