それでも世界はまわる -white snow-
ガラッ。

わけも分からず謝り続けられる理沙と泣き叫ぶ美佳。
それを通り越した向かいのドアからりおんが入ってくるのを慎吾が最初に発見した。一生懸命自転車に乗って来たのだろう、頭や肩には白い雪が積もっている。
彼なら事態を収拾できるかもしれないと思ったが、

「りおん君っ!」

すぐに美佳は叫んだ。
取り乱しているが、ドアの音と廊下から入ってくる冷気で気付いたのであろう。
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