それでも世界はまわる -white snow-
シンフォニー1

シンフォニー1 桜、舞う



水瀬村は、今日も雪が辺り一面を真っ白に染めていた。

冬休みが明けて、もう二日も経つ。

一月十日。寒い。今日は天気予報でもこの冬一番の寒さになるだろう、と言っていた。

しかし、吉川美緒奈と宮島智之が二人だけでいる水瀬中学校三年教室は別だ。
煙突を外に出した古い型のストーブがあるからだ。
レバーを上げてから火が灯るまでにたくさんの時間を要するが、ファンヒーターや暖房などとは違う自然な温もりを感じることができる。
もちろん一・二年教室や職員室でも同じものが、ごうごうと鳴っているだろう。



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