それでも世界はまわる -white snow-
まだ朝も早い今の時間帯、美緒奈と智之は二人だけでストーブを囲み、昨日だけでは話しきれなかった冬休みの思い出を語っていた。

智之の家は水瀬村内でも随分な山奥に位置し、自転車通学なので冬の時季はあまり出て来られない――学校がある日は苦労して登校するようだ。

そんなわけで美緒奈は淋しさを抑え、冬休みの二週間電話だけで我慢していた。

「あ、美佳。早いじゃん。おはよう」

それは、今ちょうど教室に入ってきた風吹美佳も同じことだった。
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