それでも世界はまわる -white snow-
「おはよ。ミオとトモ君二人なんだ、邪魔して悪いね。
 りおん君が来るまで寝とくけぇ、気にせんでや。ぶち眠いんよ」

言いながら自分の席に鞄を置く。
そしてストーブにほど近い葛原拓也の席に座って、机の上で腕を組んだ。

登校の時肩についてきたらしい桜の葉が、雪に濡れてぴたりと机に落ちる。
そのままそれに気付かない美佳の腕の下に、しおりのように隠されてしまった。

「りおん、早う来るん? 珍しいじゃん。愛じゃね、愛」

「またトモ君は余計なことを・・・」

「だってあいつも冬は大変だし」
< 16 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop