それでも世界はまわる -white snow-
神楽りおんの家は智之の家とは少し状況が違う。
彼は両親共仕事に朝早いうちから出かけてしまうので、普段三十分かけて自転車で来る道を雨の日も雪の日も、いつもの倍以上かけて自転車で登下校している。

当然そんな彼氏に会えるわけもなく、淋しがりやの美佳も美緒奈と同じく、冬休み中は電話だけのお付き合いとなっていた。

「まぁね。だけぇあたしは早く会いたいのー。寝ても覚めても見るのはあの人の夢ばかり、って感じー」
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