それでも世界はまわる -white snow-
「じゃーんっ! 若返りのクッキー!」

「・・・はぁ?」

茶色い紙の中から顔を覗かせたのは間違いなくクッキーだった。
ゆうに三十個はあり、味が違うのか色は二種類あるが形はどれも星を表している。

「なにそれ」

美佳は首をかしげた。

「そのまんま。確かひとつ食べると十歳若返るんだって! すっごくない?」

確かに美緒奈はへんちくりんな収集癖があるが、今までは奇妙な人形であったり、幸運をもたらす石とか、同じ信憑性がないものでも漠然としたものであって、嘘臭さをここまできっぱり言い切る代物は初めてである。
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