それでも世界はまわる -white snow-
彼が自分を待っているのならば、と美佳は走って教室を出た。
木造校舎の不調な足音を聞きながら階段を駆け降りる。うるさいと分かっていても、りおんのことしか頭にない。

昨日会った時間は淋しがりやの美佳にとって十分な埋め合わせにはならなかった。
できるならもっとたくさんの時間りおんといたい。

早くりおんに会いたい。

「あ、美佳」

階段の一番下の段にりおんは座っていた。
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