それでも世界はまわる -white snow-
彼は踊り場を挟んで幾段上にいる美佳に笑顔を見せながら立ち上がった。
横に置いてある荷物から、到着したばかりで先生に呼び止められたのだということが分かる。

「りおん君」

やっと美佳とりおんの上履きが同じ床を踏んだ。

「校長先生に呼ばれたんてね。なんじゃろ? りおん君、聞いた?」

「いや、僕も聞いとらん。なんか悪いことしたかと思ったけど美佳も一緒だって言うけぇさ。なんじゃろーね?」

「気になるけぇ。早う行こ」

ちょうどその時チャイムが鳴った。
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