それでも世界はまわる -white snow-
一階のトイレは教員の喫煙室と共にちょっとした離れにある。
本校舎とを結ぶ渡り廊下は冬の風景。そこだけ毎年つるつる凍っているので足元注意だ。美佳は滑って転びそうになったばかりだが。

「くぅ・・・」

周囲の確認もせず、美佳は幸福に浸っていた。
傍目から見ると怪しいほどにやけたその顔は、宙にいくつもの花を咲かせる。

「やったじゃん、美佳! なにこれ、ぶち嬉しいけぇ。どーしよ、もぉ・・・」

などと意味の分からない支離滅裂なことをぼやいていると、いつの間にか時間も経過している。

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