それでも世界はまわる -white snow-
振り返ると、さっそく自慢を始める。親友の美緒奈には隠さず妄想癖を見せる。

勝手に似てないりおんのモノマネをしておいて、それに自ら照れる。しかもこれ以上ないほど騒ぎ散らすのだ。
手足をばたつかせ、ただでさえ大きな声をもっと張り上げる。
これは美佳の妄想癖の中で、りおんと付き合い始めてから一番頻度が高いものだ。

最近の美緒奈は相手にするのが面倒なのか、最善の対応なのか、適当に流してしまう。
もちろん今回もだ。

「あんたのパステルカラーな頭は最高だよ」

「うっふふ、ありがとさーん」

でも今日だけは、それさえ褒めているように聞こえる。
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