それでも世界はまわる -white snow-
「ね、ミオ、どこ?」

「あ、席で本読んどるよ。ほら、あそこ」

美緒奈の席は、窓側から二列目の前から四番目。
中学時代と同じように髪をほどいて、表紙を見るからに難しそうな本を読んでいた。

美佳は二人に軽くお礼を言ってから、美緒奈の元を目指した。

「ねぇミオ! これ・・・どーゆうこと?」

同時に美緒奈がこちらを振り返った。
その目はあの時と同じ、鋭く尖った感じだった。美佳はそれを気にかけながらも、一歩たりとも引くつもりもなかった。
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